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  • 2018.03.27 Tuesday
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CIA洗脳実験室

 CIAによる洗脳実験の実験台とされた患者の息子が書いた本。

 

 本編もさることながら、訳者である苫米地英人氏によるまえがき、あとがきが面白い。

 曰く、

 

●オウムについて

著者の父親が入院した病院がCIAの洗脳実験に利用されたように、オウム真理教がなにかに利用されていた大きな実験場であったことは、今でもあまり知られていない。


オウムにおける洗脳テクニックは、たんに麻原が信者をコントロールする方法として利用していただけではなく、麻原自身がLSDによって人格崩壊したことを考え合わせても、オウムのサティアンが一つの洗脳実験室であったような、オウム全体が、キャメロン(引用者注:CIAの洗脳実験を行っていた精神科医)の運営していたカナダの病院であり、信者一人一人が実験台にされた患者であったような印象も受ける。

 

アメリカでは、究極の洗脳薬とされるLSDを使ってバッド・トリップさせ、地獄を見せると、どんなに意志の強い人間でも子どものようになってしまうことが知られている。オウムは、明らかにその情報をどこからか仕入れ、応用したのではないか。

 

●テレビについて

CMと番組を分けるというこれまでの編集権の独立には意味があった。この形式であればCMになると視聴者は臨場感を下げて、テレビの臨場感空間に距離をとる。そして当たりまえだが、CMだとわかっているから、商品をクリティカルな目で見ることができる。だから広告効果は下がるけれど洗脳もされにくくなる。これが正しい広告のあり方だ。

 

ところが広告を番組の中に入れてしまうと、視聴者は番組の臨場感の中で見るから広告効果が上がり、サブリミナルとなる。視聴者はクリティカルになれず、全面的に無意識で洗脳されやすくなる。

 

●インターネットについて

現在、姿を偽った洗脳の象徴はインターネットの検索サイト・グーグルであり、アメリカ合衆国だ。

 

インターネットは、テレビほどの影響力を持たないにせよ、編集権の独立というメディアとして基本的なルールを満たそうともしない。マスメディアとして見るなら最悪のメディアである。利用するときは、このことを必ず念頭におき、インターネットは必要な情報を得るためだけに使うこと。

 

 

 翻訳者/仕事で文章を扱う者として感じたのは、苫米地氏の文章が大変わかりやすいということ。ものすごく頭が良いからなんだろう。美しくても読みにくい文章ってあるけれど、そういうところが微塵もない。


原子力戦争の犬たち

 死体写真で知られる釣崎氏が、福島第一原発に作業員として潜入した記録。

 

 個人的には原発には反対だけど、動き始めてしまったもの、事故を起こしてしまったものに対しては「反対」と言ってもどうしようもない。賛成であれ、反対であれ、今ここにある問題には対応するしかない。どんな思想を持っていようと、あるいは何の思想も持っていなかろうとも、現場で対応されている作業員の方々には無条件に感謝である。

 

 現場にいない私たちは、食品や土壌、海の放射性物質汚染や、原発再稼働に関するニュースなどに接するたび、いろいろな思いを持つわけだけれど、現場ではそういった原発世論とはまた全然違った世界が展開している。(以下引用)

 

(ゴールドラッシュならぬ)放射能ラッシュの浜通りに一攫千金を目論む野心家や夢追い人、流浪の民や逃亡犯、異なる目的を秘めた殺し屋、戦争の犬たち、ならず者どもが己の男を試さんと世界中から群れ集まる熱狂

 

1Fはエネルギー放射で世界中のカルトやサイコをその磁場へ導引し、捕え続ける本尊

 

(反原発活動家の)糾弾論法とはこうだ。東電は一貫して原発は安全だと説明し続けてきた。原発が安全だというのなら安全対策は不要のはずだ。安全対策が必要なら原発は安全ではなかったということになる。安全でない原発はいらない。

恐るべきことに左翼は原発の危険を訴えながら、原発の安全性を高める事業をやるなというのだ。そして彼らの狂った目論見通りに事業は遅延し、東電側は座して何の対策も取らないわけに行かないので当座可能な限りの場当たり的対応を取り続けざるを得ない。

 

3.11。あれ以来我々は荒れ地と化した祖国を修復中だ。(中略)

となれば1F義勇軍に志願せずしてどうする。

(中略)「この退屈な国」を飛び出して、イスラム教徒でもないのに軽い乗りで改宗し、陳腐なユートピア幻想を追って「イスラム国」へのリクルートを目指すなど愚の骨頂である。

我々日本人には我々の戦争がある。甘い現実認識と軽薄な理想主義でシリアやイラクへ自分探しの旅に出ている場合か。

(引用終わり)

 

 高線量エリアでは人間の立ち入りが危険なため、遠隔操作のロボットが作業をしている。が、ロボットが瓦礫にスタックして動けなくなってしまったり、繊細な動きができない(瓦礫を掴めないなど)といった問題が発生すると、人間が「特攻」してロボットを介助するという。シュールで矛盾に満ち、でもやるしかない現場。

 

 繰り返しになるけど、作業員の皆さんには感謝しかない。

 

 


ギケイキ

 久しぶりに小説を読んだ。

 

 『ギケイキ』は、室町時代の古典『義経紀』を下敷きとした時代物。千年の時を経て現代に生き続ける義経の魂が語るという設定。現代の(ある種卑俗な)言葉を交えて語られることで、情景がいきいきとリアルに感じられる。

 

 古語で記されたお話は、なんとなく別世界の話のように感じられてしまうのだけど、このように現代の言葉や風俗を織り込んで噛み砕かれることで、今現在でも起こりうる人間模様のように、すんなりと頭に入ってくる。史上の出来事として捉えていた戦乱が、人間臭いドラマとして展開していく。

 

 笑いあり、血沸きたつ戦いありの素晴らしい娯楽作品であり、そんな中に

 

あの頃、私たちに「日常」なんてなかったのだ。暴力、そして謀略。これをバランスよく用いなければ政治的に殺された。だからみんな死んだんだよ。私も死んだんだよ。

っていうか、いろんなマイルドなもので擬装されてわかんなくなってるけど私から見ればそれはいまも変わらない。っていうか、擬装されてわかんない分、いまの方がやばいかも知れない。謀略がいよよ激しいのかも知れない。知らない間に精神的に殺されてゾンビみたいになってる。奴隷にされているのに気がつかないで自分は勝ち組だと思ってる。おほほ、いい時代だね。

 

なんて言葉があったりもして。

 

 読み進むのがとても楽しかった。三部作になるらしいので、この先も楽しみ!


おむつで入園

 もう1年以上トイレトレーニングを続けているけれど、はるちゃんのおむつが取れない。

 

 タイミングよくトイレに連れていけばできるけど、自分から教えてくれない。

 

 3歳も過ぎ、「できるだけおむつは外してください」という幼稚園への入園も控え、あの手この手とがんばってみたけれど、本人が教えないことにはどうしようもない。

 

「まだ取れないの?」

「お母さんがもっとがんばらないと」

 

なんて外野の声もありつつ。

(こういうこと言うのは年配の人。昔と今でトイレトレーニングに対する考え方が違うからなのだろう)

 

 年の近い子のいるお母さんたちに聞くと

 

「何もしなくても幼稚園に行ったら取れた」

「こんなことでイライラしても仕方ないから何もしない」

 

なんて人もいる。

 

 どっちが合理的かって、放っといてこどものタイミングでできるようになるほうなんじゃないだろうか。

 

トイレでできたらシール貼ろうとか

トイレ行ったらおやつにしようとか

かわいいパンツを濡らさないようにがんばろうとか

 

 どれだけ誘導したところで、本人がおむつをやめようと思わない限り、卒業にはつながらない。

 

 逆に言えば、本人がそうしようと思えば、何もしなくてもそうなるわけで。

 

 親としては、漏らされると後始末が手間だし、布おむつの洗濯や紙おむつの出費などもあるから、早くトイレでできるようになって欲しい。

 

 でもそれは、こちらの都合でしかない。

 

 私は

 

こどもは天から預かっているのであって、親のものではないのだから、自分とは違う人格/魂であることを尊重しなくてはならない

 

と考えている。

 

 だから、本人が自分からそうしようと思うまで、待つしかないのかな、と。

 

 とても難しいけれど、思い通りにいかないことにイライラするのもやめたい。

(意味がないからね)

 

 修行っすね!


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