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セックスと嘘とシンガポール・スリング
- 2010.03.17 Wednesday
- cocktail stories
- 19:08
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- -
- by ぷみ
タツヤはよく喋る。
さっきまではバーで自らの夢を語り、今はベッドで私(のからだ)への愛を語っている。
「お前ほど相性のいい女はいないよ。別れても、たまにやらせろよ」
行為の間じゅう、こうした下衆なことをいうのが彼の常である。
ひどい、と私が抗うと、
「俺には逆らえないだろ?」
と、タツヤは枕元の小箱に手を伸ばした。
Virgin Chi-Chi
- 2009.10.16 Friday
- cocktail stories
- 18:19
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- -
- by ぷみ
生理前というのは不安定になりがちだ。体調も、精神も。
ホルモンの分泌でそのようなことになるといわれているけれど、もうひとつ大きな要因がある。来るのか、来ないのか?という不安だ。 妊娠することを望んでいない場合は、頭の隅っこでそのことを気に病み、望まない事態になった場合のシュミレーションなどしながら、その時期を過ごすことになる。
ホルモンの分泌でそのようなことになるといわれているけれど、もうひとつ大きな要因がある。来るのか、来ないのか?という不安だ。 妊娠することを望んでいない場合は、頭の隅っこでそのことを気に病み、望まない事態になった場合のシュミレーションなどしながら、その時期を過ごすことになる。
Vino Bianco
- 2009.09.24 Thursday
- cocktail stories
- 20:57
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- -
- by ぷみ
樽のうえに黒猫を配した愛らしいラベルのドイツワインを手に取ると、晋が首を振る。
「そんな甘いのいやだよ」
甘口のワインは美味しいけれど、この壜を手に取ったのは、猫が可愛かったから。固執する必要はなかった。
Jägermeister
- 2009.08.14 Friday
- cocktail stories
- 21:36
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- -
- by ぷみ
イェーガーマイスターというリキュールは、血のように赤い。
56種のハーブを含む薬酒には、阿片が含まれているという噂もあった。
私はその阿片に酔ったつもりで、部屋で酔いつぶれて阿片窟を気取るのが好きだ。
Vino Rosso
- 2009.07.29 Wednesday
- cocktail stories
- 13:25
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- -
- by ぷみ
はじめてのデートで彼とあたしは2本のワインを空けた。
お酒が進むということは、会話が弾んでいたということだ。
彼はあたしの足元が危ういと笑い、当たり前のように手を取って、家まで送ると言った。
治安の良いこの街で、女のひとり歩きがそれほど危険なはずもなくて、部屋を見てみたい、なんていうのも馬鹿げた口実で、何もしないよ、って言う男が何もしなかったためしはなくて、それがわからないほど酔っていた訳でもなかった。
お酒が進むということは、会話が弾んでいたということだ。
彼はあたしの足元が危ういと笑い、当たり前のように手を取って、家まで送ると言った。
治安の良いこの街で、女のひとり歩きがそれほど危険なはずもなくて、部屋を見てみたい、なんていうのも馬鹿げた口実で、何もしないよ、って言う男が何もしなかったためしはなくて、それがわからないほど酔っていた訳でもなかった。
B-52
- 2009.06.08 Monday
- cocktail stories
- 21:39
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- -
- by ぷみ
おれはジンを飲んでいた。氷の入ったグラスから腹の底へと流れ落ちていくとき、その液体は炎に変わる。
焼けてしまえばいい。何の跡形もなく、焼け落ちてしまえばいい。
今日、離婚のペーパーワークがすべて終わった。もう3年も別居していたのだから、今さら、ではある。だけど何かこう、元妻と繋がれていたもやもやとした糸のようなものがすっぱりと断ち切れたようで、肩の荷を投げ捨てたような開放感と、後ろめたさがあった。
Cosmopolitan
- 2009.03.13 Friday
- cocktail stories
- 15:04
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- -
- by ぷみ
僕が理沙と関係を持ち始めたのは、付き合って2年になる美穂との間に結婚の話しが出始めた頃だった。
いつかは結婚というものをするだろうと思っていたし、きちんとしていて僕の両親にも気に入られている美穂はその相手には申し分なかったし、付き合い始めの情熱こそ失われていたものの、彼女との結婚に気が進まなかったわけではない。
けれども、責任やしがらみのようなものが肩のうえで少しずつ重みを増していくような感覚に息苦しさを感じていたことは間違いなくて、そんな時に知り合った理沙と過ごす時間は、束の間解放されるような心地よさがあり、癖になった。
いつかは結婚というものをするだろうと思っていたし、きちんとしていて僕の両親にも気に入られている美穂はその相手には申し分なかったし、付き合い始めの情熱こそ失われていたものの、彼女との結婚に気が進まなかったわけではない。
けれども、責任やしがらみのようなものが肩のうえで少しずつ重みを増していくような感覚に息苦しさを感じていたことは間違いなくて、そんな時に知り合った理沙と過ごす時間は、束の間解放されるような心地よさがあり、癖になった。
Hot Buttered Rum Cow
- 2009.02.11 Wednesday
- cocktail stories
- 21:10
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- -
- by ぷみ
その店は街の喧噪から少し離れた坂のうえにあって、9階という高さもあってか、周りから遮断されたような、独特の空気が流れていた。
凝ったデザインのインテリア、プロジェクターに映しだされるアヴァンギャルドな映像、無造作に置かれた本や雑誌、さまざまなイベントのフライヤー。無機質に白く塗られたスペースの中にそんなものたちが点在し、クリック・ミニマルなんかが流れる店内は、どこか90年代初頭のナイトクラブを思わせるのだった。
凝ったデザインのインテリア、プロジェクターに映しだされるアヴァンギャルドな映像、無造作に置かれた本や雑誌、さまざまなイベントのフライヤー。無機質に白く塗られたスペースの中にそんなものたちが点在し、クリック・ミニマルなんかが流れる店内は、どこか90年代初頭のナイトクラブを思わせるのだった。
Snow White
- 2008.12.30 Tuesday
- cocktail stories
- 01:07
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- -
- by ぷみ
白く甘いカクテルを、私はゆっくり舐めていた。
ドライブのあとお酒を飲んだから、向かいに座っている男は運転ができなくなってしまった。策略かもしれない、と思う。ふたたび運転ができるようになるまで束縛する、恰好の口実を提供してしまったのかもしれない。
それから数時間後、私は酔いを醒まさせてくれという男を仕方なく自室に上げ、熱いお茶を飲ませていた。
冷酷にはねつける手もあったと思う。
半分はゲームだ。
ドライブのあとお酒を飲んだから、向かいに座っている男は運転ができなくなってしまった。策略かもしれない、と思う。ふたたび運転ができるようになるまで束縛する、恰好の口実を提供してしまったのかもしれない。
それから数時間後、私は酔いを醒まさせてくれという男を仕方なく自室に上げ、熱いお茶を飲ませていた。
冷酷にはねつける手もあったと思う。
半分はゲームだ。
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